偽サイドバックとラポルテ不在の影響【ノリッジシティ対マンチェスターシティ】

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<スターティングメンバー>

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<試合結果>

ノリッジ3-2マンチェスターシティ

18′マクレーン 28′カントウェル 45′アグエロ 50′プッキ 88′ロドリ 

 

昨季のチャンピオンシップ王者がプレミア2連覇中の絶対王者マンチェスターシティをホームに迎えた注目の一戦。開幕から若手中心に積極果敢なフットボールでプレミアをより一層盛り上げているノリッジに対し、プレミア王者はいつものように試合を支配。だが、ラポルテ不在が攻守において大きく影響した試合となった。

ゾーン2→3の攻防

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ゾーン2とは上図のようにフィールドを3分割し、自陣から2つ目のゾーンのこと、3つ目がファイナルサードともよく言われるゾーン3のこと。

ノリッジは試合開始数分は相手陣地まで積極的にプレスをかけていた。だが、それは続かず試合通してゾーン2までの前進は許し、そこからゾーン3までの攻防が見どころとなっていた。

ノリッジの守備と穴

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ノリッジは4-4-1-1でブロックを形成し、トップ下のシュティパーマンがアンカー要のロドリをマーク、プッキが2トップをケアする形。中盤から最終ラインはマンマーク意識が高く、時にはポジションを大きく離れてマークに行く場面も。この勇敢な守備が開幕リバポ戦では裏目に出たが、この試合ではゴールを演出し結果的に吉と出ることになった。

そんなノリッジの守備の1番の穴はチャンネル(SB-CB間)が広がってしまいスペースを与えてしまうところだ。

リバプールにはチャンネルを狙われ大量失点することになる。以下の動画がその失点シーンの1つだ。

DAZN ダゾーン on Twitter: "/ サラーの 今季初ゴール⚽ \ 今季のプレミアリーグ、OGに続く“開幕ゴール”はリヴァプールのエースから生まれた🔴 🏆#プレミアリーグ開幕 🆚リヴァプール×ノリッジ 📺見逃し配信、ハイライト観るなら #DAZN #DAZNフットボール ライブ配信数 No.1スポーツ観るならhttps://t.co/u4BaoHt81Q📱… https://t.co/FveCOckIML"

事故のような得点ではあるがSB-CB間が空き中盤がカバー仕切れなかった結果、ゴールに結びついている。

そして、このようなノリッジの守備の穴を攻略できるかがこの試合の大きなポイントで、シティの1点目以外のシーンではそのようなシーンが少なく決定機を多く演出することができなかった。このわけをこの後解説していく。

 

効果的だった偽SB

毎試合シティのボール回しの潤滑油となっている偽SBの動き。相手の配置によっては効果的でない試合もあるが、ノリッジのSHに2つの選択肢を与える面でかなり有効だった。それをまとめたのが下図だ。

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オタメンディがボールを持った時点でジンチェンコが内に移動することで、ブエンディアは本来マークすべきジンチェンコをケアするか、サイドでの1対1を消すためにSBのサポートに行くか、この2つの選択肢を与えられる。序盤の運動量がある時間帯は前へのスライドでジンチェンコをケアすることが多かったが、疲れが溜まるにつれて引き気味になりチームとしても下がる時間帯が続きゾーン3まで押し込まれる時間も長くなった。

ラポルテ不在の影響

解説した通り、偽SBはノリッジに対して効果的だったことは間違いない。では、なぜシティは仕留めきることが出来なかったのか。その答えの1つはラポルテ不在の影響である。絶対的左CBのレギュラーとしてシティを支えていたラポルテがいなくなったことで、後方からボールを散らす選手がいなくなった。縦パスが少なくなり横パスが増えたことでパスをノリッジに狙われロストからカウンターまで運ばれるシーンもいくつかあった。その象徴的なシーンが下図だ。

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ジンチェンコの偽SBにより左ワイドでフリーになっているスターリングに対し、オタメンディからパスが通れば完全な1対1の状況。ラポルテであれば左足で綺麗なパスを通せると想像できるが、この試合ここからパスが出てこない。このくらいの中長距離のパスが極端に少なかったこと、精度が低かったことで攻撃のスイッチが入らずノリッジも守りやすかっただろう。

これが、前述で述べたノリッジの守備の穴。チャンネルをなぜ攻略できなかったのかにも繋がる。

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縦へのパスが少なく速攻が少ないことで、上図のようにゾーン3では常にボランチがチャンネルをケアしハーフスペースを使わせないブロックを形成できていたノリッジがうまく守れているように見えた試合だった。

 

おわりに

それぞれの選手が中長距離のパスを嫌がったのも代表戦でコンディションが悪いと自覚していたこともあっただろう。今週からミッドウィーク開催のCLも始まるのでよりコンディション調整が難しくなる中首位リバプールに食らいついていけるか注目だ。また、ノリッジがホームのこの試合ではファルケに軍配が上がったが、プレミア王者がエティハドにノリッジを迎える両チームの次の対戦はより注目度の高い試合となるだろう。

 

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【3-1-4-2】左右のトライアングルが生み出す攻撃の流動性

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記事の更新が1ヶ月以上できていない状況で、久々となったこの記事は今までと少し違う内容になってます。皆さん知っているようにこれまでは試合分析を主にやってきましたが、マンネリ化してきたこともあり、気分転換にでもなるかと思いこの記事を書き始めました。どのくらいの完成度の記事になるか未知ですが、読んでくださる方々に少しでも楽しんで読んで頂けるとうれしいです!

 

早速、本題に入っていこうと思うのですが、このブログ名にも付いてる3バックに焦点を当てていきます。そこで今回の記事では3バックシステムの中でも3-1-4-2について掘り下げていきます!

いくつかに分けて記事を更新していくつもりなので、まずこの記事ではゾーン2(フィールドを縦に3分割した中央のゾーン)でのボールの前進方法を紹介したいと思います。

 初期立ち位置

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まず、3-1-4-2のバランスの良い立ち位置をコンパクトにポイントだけ抑えて説明します。

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CB.HV:最低でもPA幅まで開く。敵にプレスをかけられていないのに急いでパスを出さない。理想は相手を引きつけてパスを出す

SH:基本は相手MFラインよりも高い位置に立つが、HVがパスコースに困っていれば下りてあげる。

VO.IH:必ず相手FW-MFライン間に立ち、最終ライン、SHからのパスコース確保をする。

CF:CB-SB間に立ち、ポストプレーのためにCBに隠れないように意識する。

 

SH-IH-CFのトライアングル

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初期立ち位置に関して軽くポイントを与えたところで左右のトライアングルが回転するようにポジションチェンジを活かした具体的なボールの前進方法を説明していきます!以下の動画をご覧ください。

相手の前プレを剥がしながら後方からうまくボールを前進させゴールまで結びついていることがわかります。最後のところは個の力でもありますが、このゴールを生んだポイントとなる左サイドのトライアングルの連携です。3-1-4-2の立ち位置を活かしたこの連携を再現性高くできればボールの前進が容易になるでしょう。なので、ここから詳しく説明していきたいと思います。

 

前述通りIHはFW-MFライン間に立ちHVからパスを常に受けられるようにMFラインの選手に隠れないように立ちます。ここでHVとIHのパス交換の中でサイドと中央の間のハーフスペースでパスを受けること、または受ける準備をしておくことで相手のサイドの選手の意識を中央に寄せ、SHへのパスコースをあけることができます。

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そしてHVからSHにズバッとパスを通す。HVがパスを出すときに少しSHが下がってあげるとよりパスを出しやすくなります。

ここからポイントとなるのがIHとCFの動き出しです。IHはFW-MF間に立つと言いましたが、SHにパスが通り前進できると判断すれば素早く前を向きMF-DFライン間に移動することが必要です。もう一度上記の動画を見直してもらいたいのですが、動画でプレーしているIHの選手(ゴールを決めた選手)この判断が早く動きだしが素早いことがわかります。

 

あと、逆サイドの選手の動きですが右IHは左サイドの攻撃をサポートするために中央もしくは左まで寄っていき、左サイドでオーバーロードを作って攻撃に関わってもいいです。

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CFが裏を取れそうであればSHからボールを裏で受けてもいいですし、ボールがIHに渡った時点で前を向いて受けられるので、ここから選択肢は多く逆サイド展開するのも1つです。

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もし、上図のようにIHとSHがマンマークで抑えられた場合、CFが下りてきてHVからパスを引き出せるように準備するば1つ飛ばしのパスが可能です。ここでポイントがSHがサイドラインまで開くことで、これによってIH-SH間が開きパスコースを作ることができます。

 

ここまで左サイドでの攻撃を考えてましたが、逆の右サイドでも同じです。説明は省きますが、画像だけ下に貼っておきますね。

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今回の記事はこんなところで終わりにします。次回の記事は同じ3-1-4-2でも相手が前からプレスをかけてきた時にそれを剥がす後方の動きを紹介したいと思います。

お楽しみに。

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グランパスのゾーン3攻略の鍵【ガンバ大阪対名古屋グランパス】

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<スターティングメンバー>

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<試合結果>

ガンバ大阪2ー3名古屋グランパス 

 

ゾーン3攻略の鍵

セレッソ大阪戦の記事でグランパスの課題としてあげたゾーン3での攻撃。だが、僅かではあるが選手の共通意識としての崩しの形は仕込まれているようには感じていた。そしてその形が、この試合で開始早々の先制点を生み出した。

そのゴールシーンがこれだ。

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 この得点シーンの肝は吉田豊のダイアゴナルラン。ポケットの入り口(ハーフスペース)でパスを受けた米本が吉田豊に通した時点で勝負ありだ。この吉田豊の動きはこの選手に限らず前節のセレッソ大阪戦でも何度か観られていたため、チームの形として仕込まれているのは間違いないだろう。ポケットの入り口でボール保持した選手に対して、周りがダイアゴナルに裏抜けするのだが、上図ではわかりにくいので下図を見てもらえればいいだろう。 

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今後の試合でこの動きに注目してみてほしい。

 

守備のバランス

攻撃に関しては再現性高くプレーしている印象であるが、やはり気になるが守備のところ。攻撃的な守備と言われるように前線からハイプレスをかけていくのだが、その守備整備の荒さが垣間見える部分がある。大きく2つについて触れていきたい。

前線からのプレス

前述の通り前線から厳しくプレスをかけるグランパス。

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基本は上図の通りマンマーク。浮くキーパーに対しては2トップの内の1人がプレスにいく。それによって浮くCBにはSHがプレスに。まとめると下図の通り。

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するとここで、問題になるのがサイドのレーンで1対2の数的不利な状況になってしまうところ。マンチェスターシティのようにSBまで連動できればいいのだが、そこまで仕込めていないのが現状。

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そこで簡単な改善策として上図のようなプレス時のカバーシャドーが重要になる。浮いてくる選手に対してのパスコースを切りながらプレスをかけるだけでも相手のビルドアップを遅らせることができる。このカバーシャドーが抜群に上手いのがスペインで活躍する乾貴士。パスコースを切るだけではなくパスを出させてカットしたり、世界でもトップレベルの守備の技術を兼ね備えていることがスペインでの活躍に結びついている。

シャビエル

もう1つはシャビエルの守備だ。セレッソ大阪戦ではジョーと組んだ2トップのところを指摘したが、この試合では2列目のSHに組み込まれていた。だが、明らかに守備の戻りが遅い。遅いというより戻らない。

戻らないことでカウンターからポストを叩いたシーンも演出するなどカウンターで脅威になれるので、風間監督もここは許容しているのだろう。

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ただ、試合終盤では上図の通りシャビエルの戻らないスペースを利用してPAまで侵入されていたので試合状況によってシステム変更せるなど柔軟に対応する必要もあるかなと。

 

ガンバの策

ここからはグランパスの守備整備の荒らさを利用したガンバのビルドアップ時の策を解説していきたい。前述で触れたようにグランパスがサイドで数的不利になるところを利用してビルドアップを安定化させていた。

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上図のとおりCBの三浦にボールが渡った時点でSHの小野瀬がボランチ脇におりてくることで、パスコースを2つ用意できるように仕込んでいたガンバ大阪。和泉がカバーシャドーでSBへのパスコースを切っていたとしてもCBが孤立しないようにしていた。これにより前節の相手セレッソに比べてガンバは安定してビルドアップできていたのだ。

おわりに

やはり守備よりも攻撃のサッカーを志向する監督が率いているだけあって攻撃は狙いがわかりやすいが、守備整備の荒らさがすごい目立つなと。攻撃で守備をカバー出来ているうちはいいがそれが厳しくなった時に負け混まないか心配でもある。2回目のグランパス分析を終えてなんとなくこのチームがしたいことはわかってきたが、まだまだ試合数が足りないので根気よく分析を続けていきたい。

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セレッソの構造的弱点を突くグランパス【名古屋グランパス対セレッソ大阪】

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<スターティングメンバー>

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<試合結果>

名古屋グランパス2ー0セレッソ大阪

 

ビルドアップ隊

ボール保持時のグランパスとそれに対するセレッソの配置の噛み合わせが下図の通り。

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特徴的なのはSBの高さ。ボールを保持すると両SBはCBからのパスコースを確保しつつ高めのポジショニング。SHはサイドのレーンではなくPA幅に収まる程度に開く。

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そして、ビルドアップ隊は2CBと2VOの後方4人。初期位置は2-2だが、パス交換しつつ米本がスッと2CB間もしくは2CB脇に下り、3-1を形成する。

また、この後取り上げるが米本はSBにボールが渡るとスッとポジションを上げSBからパスを受けられる位置に移動する。この米本の上下移動がボールを前進させるポイントだなと。

 

グランパスの狙い

シャドー裏

ここからはセレッソの構造的弱点を突いたグランパスの狙いについて触れていく。その弱点というのが清武、柿谷の裏のスペース。シャドーの裏である。図で示すとこのエリアだ。

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このエリアを攻略するためにグランパスが用意した攻略法が大きく分けて2つあった。それを1つずつ解説していきたい。

攻略法①

まず1つ目は前半に右サイドで多く観られた形。両サイドのCBからSBへのパスからの周りの選手の循環。

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右SB宮原にボールが渡るとビルドアップ隊として 最終ラインに下りていたVO米本が清武の裏に移動、SH相馬はサイドのレーンの深さを取りに行くために宮原にプラスをかける丸橋の裏にラン。そして相馬の初期位置にシャビエルが下りてくる。この3人のポジションチェンジにより宮原には常にパスコースを確保できている状況を作り出す。

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上図のとおりこの4人の関係性からサイドの深さを取りに行きたかったと考えられる。ただ決定機に繋がらなかったのは、セレッソが清武のプレスバックを含め強度のある守備ができていたことが大きいが、逆を言えばセレッソを守備で走らせることができたことが無失点で抑えられた要因であり、狙いだっただろう。

攻略法②

1つ目は外を使った形だが、2つ目は中から。下図のとおりVOシミッチを経由するパターンだ。

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おそらくセレッソが警戒していたのはこの形だろう。なので常にVOシミッチはマークされた状態。初期位置が2VOの左なので必然的に柿谷がマークしていた時間帯が多かった。

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先制点のシーンは上図のようにセットされた形ではなかったが、VOシミッチからシャドー裏で待つSHシャビエル経由でCF赤崎へと渡り得点。スローインからの流れだったが、まさにグランパスの狙いだっただろう。

 

グランパスの課題

ゾーン3での発想

流れはどうであれサイドの深いエリアまで侵入できていたシーンは多くあったが、そこからPAに侵入する発想が今ひとつ。ただその流れが仕込まれてない訳がないので選手の技術が追い着いていないのかなと。そこで1つの改善策としてポケットを意識したプレーをできると、最後の崩しのところで手詰まりになるシーンが少なくなるだろう。セレッソの守備陣形が5バックで後ろの重いことが攻撃の手詰まりに少なからず影響しただろう。だが、SH相馬がボールを持った時にボールを受けに来る選手は多くいるがスペースに走る選手が少ない印象が強い。まだ観たグランパスの試合は数少ないので今後分析していく中で注目していきたい。

2トップの守備

ここまではボール保持時のグランパスについて解説してきたが、最後に守備についても軽く触れておく。

グランパスは基本的にスタメン表示通りの4-4-2でブロックを形成。4-4-2ブロックと言えば欧州でも屈指の堅守アトレティコマドリーを思い浮かべる人が多いだろう。ただこの堅守は全員がサボらずにハードワークすることで成り立っている。

そこでグランパスの4-4-2ブロックで気になったのが1列目の2人の守備。この試合で何度か見受けられた形がこんな感じ。

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2トップのマークの受け渡しが怪しくファーストラインを簡単に突破される。それによりボランチが釣り出されブロックにズレが生じ、そのエリアにセレッソの2シャドーが下りることでチャンスに繋げられるシーンだ。この2トップの守備が失点に直結する試合が今後出てきそうだなと。

おわりに

昨季のJリーグはヴィッセル神戸と横浜Fマリノスの試合は結構観ていて、今季は他で追うチームを決めようと思い考えた結果名古屋グランパスにすることに。この試合を何度か観た中で気になったところをさらっとまとめたのですが、グランパスサポの方にどんな反応されるか楽しみでもあります笑これからよろしくお願いします。

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完敗の裏で復調の兆しが見えたマドリー【レアルマドリー対バルセロナ】

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<スターティングメンバー>

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<試合結果>

マドリー0ー3バルセロナ

 

IH落ちとは

 両SBが高いポジションをとりその空いたスペース(CB-SB間)にIHが落ちボールの前進を助ける戦術のことを「IH落ち」という。下図のような感じです。

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マドリーにおけるIH落ちの重要性

IH落ちの動きは簡単にわかったと思うのでここからマドリーにおけるIH落ちの重要性を解説していく。シーズンが進みに連れて少しずつ調子を上げているマドリー。この試合は結果だけを見ればマドリーの完敗だが、特に前半は先制点を奪えるチャンスを何度も演出していた。その要因はこれまでの試合に比べてIH落ちが効果的に活用できるようになったと考えられる。そこでこれまでの試合での攻撃停滞するパターンを先に解説してから、この試合でIH落ちから演出したチャンスを解説しつつIH落ちの重要性を紐解いていきたい。

 

 攻撃停滞パターン 

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まずはマドリーの攻撃が停滞するパターンを解説したい。ここで参考にしたいのがCLRound16アヤックス戦の序盤。結果的にマドリーが勝利したが試合の序盤はかなり苦しんでいた印象の強い人が多いだろう。その要因は上図の通とおりアヤックスがオールマンツーでハイプレスをかけ、それに対してマドリーが手を打てなかったため。

そこで有効となってくるのが下図で示しているIH落ちである。

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IHクロースがCB-SB間に落ちることで空いた中盤のスペースタイミングよく下りてくることでフリーでパスを受けられる。ただ注意したいのがヴィニシウスの下りてくるタイミング。早すぎるとマークされるためパスを出されるまでは動かずにスペースを空けておく必要がある。

IH落ちからの攻撃

ここからバルセロナ戦で観られたIH落ちからのチャンス演出シーンを2つ解説していきたい。

1つ目のシーンがこれだ。

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まさに前述のアヤックス戦での解決策で示した流れと同じ。 この試合のセルジロベルトはクロースを常時マークしていたためIH落ちしたクロースによって簡単にブロックの外に釣り出されてしまっていることがわかる。セメドが2人マークしなければいけない状況が作り出され、ヴィニシウスにタイミング良くパスを通すことができたため一気にボールを前進させることに成功している。

そして2つ目のシーンがこれだ。

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 このシーンもきっかけはIH落ちからである。レギロンが高いポジションをとることができ1つ目のシーンと同様でセメドのところで数的優位に。セルジロベルトが守備に戻ってくるもここでベンゼマが絡んでき、これで3対2の数的優位だ。またベンゼマの賢さが光ったシーンでもある。

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 裏に抜けたヴィニシウスを見てベンゼマがその空いたスペースを活用する。気になる方はもう一度動画を見てみてほしい。

 

おわりに

間違いなくチャンスの数であればマドリーの方が多かった。なのに勝てなかったこのような試合を見るとやはりロナウドが恋しくなる人も多いはずだ。ただ明らかにヴィニシウスとレギロンの縦の関係が良くなっているので、ヴィニシウスの決定力が改善できればマドリーの新たな長所になるに違いないだろう。

 

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シティを苦しめた能動的5-4-1ブロック【シャルケ対マンチェスターシティ】

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<スターティングメンバー>

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<試合結果>

シャルケ2ー3マンチェスターシティ

 

フェルナンジーニョの偽CB

今季からシティの新しい戦術の選択肢としてペップが導入したフェルナンジーニョの偽センターバック。守備時には4バックの右CBとして振る舞い、ボール保持時はボールの位置によってポジションを上下させる戦術だ。そのフェルナンジーニョの偽CBがどのような動きなのか解説する。

ボールがゾーン1にある場合

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フェルナンジーニョは守備時と同様に4バックの右CBとしてビルドアップに関わっていく。

ボールがゾーン2にある場合

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ゾーン1からビルドアップをし、ゾーン2までボールを運ぶことができればフェルナンジーニョは最終ラインから1列前に上がりギュンドアンとの2ボランチを形成。この動きのことを偽CBと呼ぶ。これによって最終ラインは3バックになりこの形で攻撃を組み立てていく。

 

この戦術をペップが採用したのはボール保持する時間が圧倒的に多くなり、相手のセット攻撃での崩しに脅威がないと判断したためだろう。と言うのもフェルナンジーニョの偽CBを採用しない他の試合でもゾーン2で3バックを形成するのがほとんど。相手にボールを持たれた時にフェルナンジーニョがCBで問題になるかどうかがペップにとってこの戦術を採用するかの判断基準となっていると思われる。

 

能動的5-4-1ブロック

この記事の本題はここから。一時は逆転に成功、90分間通してシティを苦しめたドメニコ・テデスコ率いるシャルケ。33歳の青年指揮官がシティに対してどのような策を用意してきたのか紐解いて行きたい。その鍵を握るのが能動的な5-4-1ブロックだ。圧倒的な攻撃力をもつシティに対して、受け身の守備になるのではなく攻めの守備をシャルケは実行していた。まさにこれがジャイアントキリングを可能にする鍵でもあるのだ。

シティがボールを保持している場合の配置の噛み合わせが下図の通りだ。

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まずはHV(3バックの左右)にボールが渡った時の対応を解説する。だが左HVラポルテと右HVウォーカーでシャルケの対応が違うので注意して見てほしい。

HVへの対応

左HVラポルテの場合

ここで左ウイングにスターリングがサイドに張っていることがポイントとなる。序盤からカリグリとのマッチアップでスターリングが優位に立っていたためラポルテに対してSHのケニーは外のパスコースを切りながらプレスをかける。近い選手には下図のように迎撃守備で対応する。

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右HVウォーカーの場合

 前述のラポルテの場合と大きく違うのはウォーカーにプレスをかけるSHメンディルのところ。シティの右ウイングはサイドよりも中に入ってのプレーが得意とするベルナルドであるためメンディルはベルナルドへのパスコースを切るのではなく内のデブライネへのパスコースを切りながらプレスをかける。

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ボランチへの対応  

ここからボランチへの対応を解説したいのだが、その前にプレミアリーグでよくある受け身になってシティに簡単に攻略されるパターンを2つ紹介する。

まずはパスの出し手を潰そうとしてライン間を攻略されるパターン。

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次にパスの受け手を潰そうとして最終ラインの裏を取られるパターン。

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この2パターンを潰しに行っていたのがこの試合のシャルケだ。パスの出し手、受け手に対して常に迎撃守備できていたことがシティを苦しめた大きな要因の1つである。

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 前述のように最終ラインの裏をとればいいと思う人もいると思うが、プレスを受けているフェルナンジーニョが精度の高いロングパスを出すのは困難だろう。そこで攻略法を1つ解説する。

攻略法

得点には結びつかなかったが、シルバが攻略法を見せてくれたシーンがある。それがこれだ。

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このシーンも出し手と受け手に対してはマークできていたのだが、シャルケが想定外だったのがシルバがわずかなスペースを見つけ移動してきたこと。アグエロは最終ラインを駆け引きしているのでサネがピン留めされシルバにアタックできない。マークすべきブルマはシルバにアタックしようとするも遠すぎて、上記の動画でも躊躇したことがわかる。

数回このようなシーンがあったのでできれば試合を見直してほしい。

 

すべてを無効化したエデルソンのキック

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最終的にこの試合を決めたのはエデルソンのロングキック。ここまでシャルケの細かい守備戦術を解説してきたが、これらをすべてを無効化したのが決勝点のシーンだ。シャルケの守備の形が整っていない状況だったもののボールに対してプレスをかけ、コンパクトに保つために最終ラインも上げようとしていたが、それを嘲笑うかのように無効化し得点を奪った。近年守備戦術が洗練されたチームが増えてきたからこそエデルソンのロングキックは攻撃面でもシティを助けることになりそうだ。こんなところでこの記事はおわりにします。

 

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両者が魅せたハイプレスシステムの違い【マンチェスターシティ対チェルシー】

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勝敗は皆さん知っている通り終始攻撃の手を緩めなかったシティの完勝。この勝利によりシティ は暫定ながらも再び首位に立った。試合の内容をみれば必然だった結果だが、何がこの結果を生んだのだろうか。欧州の中でも注目の対戦だったためいくつかの方がマッチレビューをすでに記事にされているので少し違うポイントに焦点を当てて試合を振り返る。記事の最後にこの試合のオススメの記事を載せておく。

<スターティングメンバー>

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<試合結果>

マンチェスターシティ 6ー0チェルシー

 

ハイプレスの違い

試合開始からお互いに激しいハイプレスをかけ合う予想通りの展開だった。よく知られているようにどちらのチームもアンカーを配置する4-1-2-3を基本的な配置ハイプレスをかける時はIHを1列上げ2トップを形成するシステムを採用している点も同じである。下図を参考にしてほしい。

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だが、一見同じハイプレスのシステムを採用しているように映っているが異なる点が1つある。それがこの試合をシティが優位に戦った要因であり、現代サッカーでGKのキック技術がトレンドになっていることが納得できる。

まず、両チームのハイプレスシステムの違いは下図の通りだ。

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図を見れば違いは明らかだと思う。ここからそれぞれのハイプレスの意図を紐解いていきたい。

シティのシステム

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右CB(リュディガー)がボールを保持している状況で、左CB(ダビドルイス)をケアするデブライネの位置取りに注目してほしい。

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アグエロがボール保持者にプレスをかけるためデブライネはダビドルイスとジョルジーニョの中間ポジションをとる。この立ち位置によって簡単に逆サイドへ展開されるのを防げる

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もし逆サイドへ展開されたとしてもすぐにスライドできる立ち位置でもあることもわかる。

ここでシティがチェルシーに敗れた前回対戦を思い出してほしい。チェルシーの先制点のシーンはシティがハイプレスをかけた際にCB間で逆サイドへ展開されたプレーが起点となっていた。これをグアルディオラが嫌がったことからこのハイプレスシステムなのだろう。

 

チェルシーのシステム

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対する、チェルシーのハイプレスをみていく。イグアインの立ち位置に注目すると、前述のデブライネとは異なりエデルソンとフェルナンジーニョの中間ポジションをとっていることがわかる。

f:id:cityzens:20190211215137j:plainこのイグアインの立ち位置によってエデルソンがボール保持した際に素早くプレスをかけることができる。逆サイドのCBを捨ててまでキーパーをケアするくらいにサッリはエデルソンのキックを脅威としたのだろう。

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ただ、試合ではこのシステムが裏目に出てしまう。上図の通り逆サイドのラポルテにパスが通った際にプレスがかからず、パスを自由に出されてしまっていた。この流れでシティがどのようにゴールまで繋げたのかは下の記事を参考に。

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首位追撃へ負けられないマドリードダービー【アトレティコ対レアルマドリー】

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スペインの首都マドリードを本拠地とする2大クラブによるダービーマッチ。近年は欧州の頂点も争う両チームだが、この試合は首位バルセロナを追撃のため。そして優勝を争う権利をかけた勝たなければ意味のない戦いとなった。

試合は終始優位に戦ったレアルマドリーがアトレティコを破り2位に浮上した。そこでこの記事では試合を分けた1つのポイントをアトレティコに焦点を当てて解説していく。

<スターティングメンバー>

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<試合結果>

アトレティコ1ー3レアルマドリー

 

ゾーン2での形

この試合の勝敗を分けることになったポイントを解説する前に、まずアトレティコのボール保持時(特にゾーン2)の各選手のポジショニングと役割を解説する。

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 右サイドから攻める場合の基本的な立ち位置と動きは上図の通り。左サイドから攻める場合は左右が逆に。

◆CF(グリーズマン、モラタ):モラタがディフェンスラインと駆け引き、グリーズマンが下りることでパスを引き出す。

◆SH(コレア、レマル):SBにオーバーラップのスペースを与えるため内側のレーンに移動。ボールサイドと逆のSH(この場合はレマル)は前線まで上がることで2トップと並び3トップを形成。

◆VOトーマス、サウール):ボールサイドのVO(この場合はトーマス)はSBがオーバーラップすることによってできたスペースに下り3バックの一角になり、CBのサポートとカウンター対策。もう片方のVOは3トップの一列前のアンカーポジション。両VOの動きで最終ラインは3バック+1アンカーに。

 

勝敗を分けたポジショニング 

簡単にアトレティコの各選手でのポジショニングと役割を解説したところで、早速勝敗を分けたある選手のポジショニングについて解説していく。

まず下の動画を見てください。

試合中の2シーンを取り上げた動画だが、どちらもボランチのトーマスのポジショニングが怪しい。その2シーンについて詳しく観ていきたい。

 19分のシーン(バスケス決定機)

まずは1つ目のシーン。

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ヴィニシウスがSBアリアスの裏のスペースでパスを引き出したところからのチャンスだが、そのスペースをカバーしなければいけないのはボランチのトーマスだ。

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アトレティコが数的不利な状況ではないが、ヒメネスはベンゼマについているため最終ラインのマーク受け渡しが必要で、最終的にバスケスをフリーにしてしまいシュートを許している。

 73分のシーン(レアルマドリー3点目)

そしてマドリーの3点目となった2つ目のシーン。前述で解説した問題点と基本的に同じ。

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ベンゼマのレイオフに対してヒメネスは釣り出され、その裏をベイルに突破されてしまったが、ここをカバーすべきなのはトーマスだった。

 おわりに

この試合を観ていてトーマスのポジショニングがかなり気になったので記事にすることにしたのですが普段はどうなのでしょう?アトレティコの試合を多く見るわけではないのでそのあたりの情報がないので教えてもらえると有難いです。

トーマスのポジショニングが悪いように記事を書いたのですが、ポジショニングが監督の指示であればそこが問題です。アトレティコのようなトップのチームがこれほどの粗末なリスク管理をするとは思えないのでこのように記事を書かせてもらいました。

 

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良い敗戦に!この敗戦から日本は何を学ぶのか【日本対カタール】

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<スターティングメンバー>

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<試合結果>

日本1ー3カタール 

 

前半

日本の守備の問題点

日本はこれまでの試合と同様、大迫と南野が横並びの4-4-2の守備陣形。前線から積極的にプレスするため4-2-4のような時間帯もあり、中盤にスペースを与えることも多々。この弱点をこの試合では的確に狙われてしまった。どこが問題だったのか解説していく。

カタールはボール保持時、3-1-4-2の配置。日本の守備陣形との噛み合わせが以下のとおりだ。

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問題点は明らかだろう。3バック+1アンカーのカタールに対して日本は2トップで対応するため、常にアンカーの23番が浮いている状況が生まれていた。それにより簡単に大迫と南野のファーストラインを突破されてしまっていたのだ。

人数を合わせるためにWGの原口が15番にアタックするシーンも観られたが、常に遅れてプレスにいくのですその後ろの長友、塩谷、柴崎も遅れる。常に日本の守備が後手に回っていたのは明確だった。

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また、カタールの選手の配置が的確で最終ラインからのパスコースが多くデザインされ、柴崎が浮いているアンカーの23番をマークに行けばもう1ライン前の11番があくことが上図からわかるだろう。

このようにしっかり狙いを持ってポジショニングしていたカタールに日本はお手上げだった。

カタールの5-3-2ブロックと攻略法

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序盤の日本は上図で示すとおり、サイドの深いスペースを利用しようと堂安が内から外に抜ける動きで酒井からパスを引き出していた。この攻めのメリットは中央のCBをサイドへ追い出しPA内の相手の守備人数を減らせるところにある。だが、このメリットは4バックの相手に対しては有効であるが、5バックのカタールに対しては有効な手段ではなかったのだ。

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 ここからカタールの守備の特徴と弱点、日本はどのような攻めをするべきだったのか解説していきたい。

カタールの守備は3センターの両端がSBまでプレスに行くため体力的な負担が大きい

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そのためサイドチェンジを行いながら3センターを揺さぶりながら、スライドが遅れたところで中盤のスペースを活用して攻めるのが理想だった。下図だと赤のスペースを狙いたい。

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その赤のスペースに大迫がレイオフ。15番の迎撃守備により空いた裏のスペースにダイアゴナルランで入って狙いたい。

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また、原口のランに反応した②が空けたところに長友がオーバーラップで攻め上がる攻めも考えられるだろう。

 

後半

日本の守備の改善

前述でアンカーの23番が常に浮いていることを指摘したが、後半からその改善が観られた。アンカーに南野がマークし、相手の3バックに対しては下図のような対応していた。

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このくらいの改善であれば序盤の10分くらいで可能にしなければいけないし、相手への対策が疎かだということが露骨に現れていた。

 5-4-1と5-3-2を切り替えるカタール

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前半に対して後半は日本が攻め込む時間帯が多かった印象が強い人が多いだろう。そのわけは、カタールが守備時の陣形を5-3-2から5-4-1に変えた影響である。

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上図のように2トップから1トップに変えたため日本が1トップ脇の後方で安定してボールを保持、ネガトラ時の回収が安定するようになった。

なのになぜカタールは5-4-1変えたのか。それは前述で解説したとおり3センターだと横のスライドの距離が長いため体力面で負担が大きい。それを考慮しての4センターなのだ。

またカタールは後半の途中に5-3-2に切り替え、再び5-4-1に戻している。日本に比べて体力面も含めて試合に合わせたゲームプランの修正、交代が早く、理にかなっていた。

おわりに

選手の質ではアジアで飛び抜けている現状。なのに優勝できなかった。決勝の相手のカタールも個々の能力では絶対に日本は負けないが、ゲームプランの質でひっくり返されてしまった。この問題を重く受け止め、これからの日本のサッカーの発展のいい教訓になればいいだろう。

 

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noteで戦術分析のノウハウを公開しました!

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こんにちは。3バックには夢がある【サッカー戦術分析ブログ】の管理人です。

 

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頻繁にTwitterのDMやメールにて、どのように僕が戦術分析をしているのか教えて欲しいという内容のメッセージが届くのですがそのような方に向けて記事を作成させてもらいました。これから戦術分析をしたい!という方やもっと詳しくなりたい!という方に特にオススメです!

 

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サッカー戦術分析ブログを100記事以上更新してきた僕が戦術分析のノウハウを解説する|3バックには夢がある管理人|note

【LEGIT】サッカー・フットサルのユニフォーム、チームウェアオーダーはLEGITで!

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【新ビルドアップ戦術】「CB上げ」とは?時代を切り開くキケ・セティエンの逆転の新発想

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シーズン序盤は苦しんだベティスだったが徐々に調子を上げ、15節を終えた時点で7位まで順位を上げた。その要因はキケ・セティエンの緻密な戦術だ。そこで特に緻密に設計されたビルドアップ戦術にスポットを当てて分析していこう。参考にする試合としてベティス対ラージョの試合の動画を用いる。

ビルドアップ戦術で有名なものだと、CB間にアンカーが落ちて3バックを形成する「アンカー落ち」や、IHがCB-SB間に落ちる「IH落ち」がある。これらは知っている人も多いだろう。だが、これから分析するベティスのビルドアップ戦術は全く新しいもの。これから普及していく可能性の秘めている新発想の戦術は必読だ。

 

基本システム【3-1-4-2】

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まずベティスの基本システムに簡単に触れる。キケ・セティエン監督は主に3-1-4-2をベースに選手を配置し攻撃的な戦術を採用。グアルディオラやサッリのようなボールを保持することで守備をする思考の監督のもと、選手もその考えを理解してプレーしている。また徐々に調子を上げてきたことは監督の戦術が新加入選手にも浸透してきた証拠でもあるだろう。

今回参考にする試合(ラージョ戦)のスターティングメンバーは上図のような感じだ。

シーズン序盤に更新した乾がベティスで求められる役割に迫った記事では、主にIHの役割を詳しく分析している。

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「CB上げ」とは?

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この動きは自陣からのビルドアップ時にパスコースを確保し敵のプレスを外すプレーである。上図のように3バックの真ん中のバルトラがアンカー脇まで上がり、通常の3バック+1アンカーから2バック+2アンカーのに変形するのだ。

ここで、「CB上げ」した状態ともともの状態でどのような違いが生じるのか比較する。

★「CB上げ」で2バック+2アンカーのビルドアップ

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左CBに対して3つのパスコースが生まれていることがわかる。

★もともとの3バック+1アンカーのビルドアップ

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WBフィルポへのパスコースは確保されていることはわかるが、CBマンディとCBバルトラがボールを保持しているシドネイに対して直線上に並び被っている。これにより生み出せるパスコースを1つ失っていることがわかるだろう。

 

ただ、「CB上げ」によるビルドアップの方がパスコースが多く確保されることは事実ではあるが、単調になっては意味が無い。試合中には時間帯によって上記の2つのシステムを使い分けているので、キケ・セティエン監督としてはビルドアップのシステムを2つ用意しておくことで敵のプレスを絞らせないことが大きな意味を持っているのだろう。

 

オプション

自陣深くまでプレスを受けた場合

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サッカークラスタ界隈で有名な「観音開き」。両端のCBが大きく開き、その間にGKパウロペス。中央にCBバルトラ、ANCカルバーリョに加えてIHの片方が下りてくる。ボールを失うと失点に直結する位置では上図の通りバランスよく選手が配置されることがわかる。

敵陣までボールを運んだ場合

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敵陣近くまでボールを運ぶとベティスは3バック+1アンカーで攻撃を組み立てる。だが、この試合は敵が4-3-1-2で噛み合わせ上、ANCカルバーリョがマンマークで消されてしまっていた。

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それの対策としてカルバーリョが最終ラインに下りる。この動きで敵の守備陣形のバランスが崩れ、右サイドにスペースを生み出せていたのだ。

 

おわりに

今回ベティスのビルドアップに焦点を当てて分析してきた。新たなビルドアップ戦術「CB上げ」も取り上げたが、あくまで敵のプレスを絞らせないことが重要なことが前提。様々なオプションをチームとして持っていることが重要であることを理解してほしい。

 

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ネイマールやムバッペらの個をより活かしたトゥヘルの戦術【パリ・サンジェルマン対リバプール】

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<スターティングメンバー>

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<試合結果>

パリ・サンジェルマン2-1リバプール

13′ベルナト 37′ネイマール 46′ミルナー

 

パリの可変システム 

1試合を通して攻撃時と守備時で大きく違っていたパリの可変システム。この試合での可変システムのキーマンは明らかにマルキーニョスだった。攻撃時には最終ラインで3バックの真ん中守備時には4-4-2のボランチの一角として幅広くリバプールの攻撃に対応

そこでパリの可変システムを攻撃時と守備時に分けて細かく分析してきたい。

攻撃時

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◆ネイマール:アンカー(ヴェラッティ)脇に下りてビルドアップのサポート。

◆ディマリア:右サイドに開くことによりリバプールの中盤一枚をピン留め。

◆ムバッペ、カバーニ:CB-SB間にポジショニング。CB-CB間を空けておくことでPAに侵入した際、CBの背後からゴール前に飛び出すことを容易に。

 

この試合、左サイドに偏っていたパリの攻撃。これはトゥヘル監督が意図的に仕込んだものであり、パリの2ゴール共に左サイドから生まれたことからもわかる。

そこでポイントとなる選手がディマリア。前述したようにディマリアがリバプールの中盤の選手一枚を引きつけることで、左サイドで3対2を創出していたのだ。

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上図で示した3対2のところからリバプールの守備を崩壊させていた。詳しくはこの後パリの先制点のシーンを振り返りながら分析しています。

守備時

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守備の最大のポイントはマルキーニョスとヴェラッティの2ボランチの動き。リバプールの両WGにボールが渡った際、常に2対1で対応するためにSBのサポートを欠かさない

 

中盤の攻防

リバプールの守備

リバプールの守備はどの試合でも基本的に変わらない。4-3-3を基盤とし、CBからSBへのパスコースをカバーシャドーで封鎖することで、中央の密集に誘導しボール奪取。時間を掛けずに前線の3トップにボールを渡してショートカウンターという流れだ。

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◆サラー、マネ:CBからSBへのパスコースを切りつつ中央への誘導守備。
 ◆ワイナルドゥム、ミルナー:ディマリア、ネイマールに対してマンマーク。

◆ヘンダーソン:守備のバランスを取りつつ、機を見てヴェラッティへの迎撃守備。

PSGの対策

そこで、欧州でも屈指のリバプールの守備にパリはどのような対策を取ったのだろうか?

それはネイマール、ムバッペ、ヴェラッティを近くに配置し3対2の数的優位を作り出すことだった。試合を通して何度も見られたパターンを解説していく。

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前述したように攻撃時のネイマールの主な役割はアンカー(ヴェラッティ)の脇に下りてビルドアップのサポート、CBのパスコースの確保。CBからSBへのパスコースをWGで封鎖するリバプールに対して中央でパスコースを確保することはリバプール攻略において大きな鍵となる。

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ただ、アンカー脇に下りるネイマールに対してワイナルドゥムがしっかりついてくる場面も当然ある。その場合はムバッペがネイマールのポジションに下り、CBからネイマールを囮にするパスを引き出す。それに合わせてネイマールはムバッペを追い越すことでリバプールの中盤を置き去りに

上記の動画を見ればここまで説明したことがよく表れていることがわかる。

さらにパリの対策が凝縮されているのが下記のパリの先制点のシーンだった

パリの追加点のシーンもどうぞ。

ネイマールやムバッペらの選手の個人技が注目されるようなシーンが多かったが、その個人技をより活かしていたのは戦術だったのだ。

 

攻撃型DFキンペンペ

パリの下部組織出身からトップチームに定着できた将来期待の左利きディフェンダー。最大の武器は身体能力の高さで、188cmという体格でスピード、強さに関して申し分ない能力を備えている。また足元の技術も高くボールを繋げられ選手だ。

この試合でもリバプールの強力攻撃陣に対して落ち着いた守備を披露してくれた。今後もキンペンペに注目していこう。

 

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結果以上に大きな差があったマンチェスターダービー【マンチェスターシティ対マンチェスターユナイテッド】

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マンチェスターシティの本拠地エティハドスタジアムで行われた今季最初のマンチェスターダービー。昨季の王者マンチェスターシティは無敗で首位に立つ一方、ユナイテッドは上位陣に遅れを取り7位と、対照的な状況で迎えた注目の一戦となった。そこでシティの攻めに対するユナイテッドの対策と勝敗を分けたポイントについて解説していく。

<スターティングメンバー>

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<試合結果>

シティ3ー1ユナイテッド

12′ダビドシルバ  48′アグエロ  58′マルシャル  86′ギュンドアン

 

 

シティの可変型最終ライン

まずはユナイテッドの守備の策を解説する前にこの試合でのシティの攻撃の組み立てについて簡単に。シティの最終ラインは試合中に何度も変化するが、どのタイミングで変化を加えているのか?

簡単に言うと、ボールが自陣にある場合は4バック+1アンカーでビルドアップ、敵陣までボールを運ぶことができれば3バック+2ボランチに変化するのだ。

★ボールが自陣にある場合(4バック+1アンカー)

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両SBはサイドラインまで開く。自陣深い位置ではCB間にエデルソンが入り3バックにも。 

★ボールが敵陣にある場合(3バック+2ボランチ)

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ラポルテ、ストーンズ、ウォーカーで3バックを形成し、左SBのメンディはサイドで幅を取る。アンカーのフェルナンジーニョの脇にサポート役としてIHのDシルバ、またはBシルバが下がることで2ボランチに。

 

ユナイテッドの策

ユナイテッドの守備陣形は4-3-3。各選手の守備時の役割をまとめると下図の感じ。

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◆前線の3枚:2CBにボールを前に運ばせない、SBにボールが渡った場合にWGが中央へのパスコースを切りつつプレス。

エレーラ、マティッチ:エレーラがDシルバ、マティッチがBシルバにマンマーク。但し、中盤にスペースを空けないためにサイドまでは付いていかない(弱マンマーク)。

◆フェライニ:中盤のスペース埋めながら、時間帯によってフェルナンジーニョにプレス。

ショー、ヤング:WGに常時マンマーク(強マンマーク)。

 

SBのタスクが弱点に

前述でユナイテッドのSBはWGに常時マンマークのタスクを担っていたとした。そのタスクが前半早々からシティの突破口となり、シティの先制点に繋がることになる。

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モウリーニョはビックマッチで相手のキーマンに対してマンマークで潰す戦略をよく採用することはよく知られている。この試合でもシティのIHに対してマンマークを付けたことは正解だった。ただ、間違いだったのはWGに対してもSBをマンマークに付けたこと。これはシティの攻撃の流れでウイングが決定的なプレーをすることが多いだからだろう。

前半3分のこのシーンでは得点には繋がらなかったが、この後同じ弱点を突かれ失点してしまう。

それがこちらのシーン。

Dシルバ経由で左サイドの深さを取る。そこからスターリングがGKとCBの間にクロスを放り込む。そのクロスに対して大外からBシルバが折り返す。そのBシルバがなぜフリーになっていたのか?それは左SBのショーがマークしていたマフレズに釣られたからである。

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前半途中からはユナイテッドが守備のバランスを取れるようになり立て直したが、その前にシティが先制に成功したことが勝敗の分け目の1つとなった。

 

ボールプレーの質が高い両CB

44本のパスを繋いだ美しいゴールだと話題にもなったシティの3点目。この44本のパスにはフィールドプレーヤー10人全員が関わっていた。そんな中でシティの両CBのボールプレーの質に注目してほしい。ユナイテッドの連動が皆無のプレスを簡単に剥がすことげでき、的確なパスを供給できる。高額な移籍金で獲った両選手は24歳と若く、GKのエデルソンと共に何年もシティのゴールを守ることになるだろう。

おわりに

全ての面でシティがユナイテッドを上回っていることを証明したマンチェスターダービーとなったが、個人的には試合以上にアグエロの銀髪がカッコ良すぎたこと印象に残ったかなと。

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サネとメンディの共存への最適解【マンチェスターシティ対バーンリー】

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<スターティングメンバー>

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<試合結果>

マンチェスターシティ5-0バーンリー

 

ペップシティの最大と問題とされているサネとメンディの共存問題。この両選手はポジション、攻撃時の役割は違うが左サイドで相手チームの脅威となることができるという面で被る。そして監督の理想とするサッカーにおいて同サイドの高い位置に2人を配置することはナンセンスであることも両選手の共存を困難にしているのだ。

シティの直近の試合を見ていると、監督はその最適解を見つけつつあることがわかる。それを動画、図を交えながら解説していく。

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基本的にポゼッション時はサネがサイドで幅を取りメンディが偽サイドバックでリスク管理。先制点のシーンではサネとシルバの連携でPAに侵入しアグエロのゴールを生み出した。ペップシティにおいてこの2人の崩しは1番の武器と言っても過言ではないのが事実である。ただ先制点のシーンのようにシュートまで持っていけずに手詰まりになるシーンも多々ある。

その時にメンディのサイドへのオーバーラップを活用するのだ。

 

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サネとシルバの連携により左サイドを攻略しPA内に侵入したものの相手選手が密集してしまい手詰まりになることも多々。この時に空いた左サイドにメンディが駆け上がる。前述でメンディはリスク管理を担っていると話していたが、PA内まで押し込んでいる状況。相手はカウンターを狙うには距離がありすぎるため失点の心配はほとんどない。それがメンディの駆け上がりを可能にしているのだ。

 

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