効果的な斜めのプレー【チェルシー対マンチェスターシティ】
勝ち点で並んでいるユナイテッドは、クリスタル・パレスに4-0で大勝したのでシティとしては1位キープのためにも負けられない。昨季の両チームの対決はチェルシーの3バックに対しシティはミラーゲームを挑み敗戦している。この試合で再びミラーゲームを仕掛けるか、それとも、、。
<両チームのスタメン>
<試合結果 >
チェルシー0-1マンチェスターシティ
67:デブライネ
デルフの偽サイドバック
メンディが離脱してから左SBを任せられているデルフ。守備時にはもちろん左SBとして相手の攻撃を抑える役割だが、攻撃時のポジショニングと役割がおもしろかった。2015年の7月にアストンビラからシティに移籍してきたこの選手。本職は中盤だが今季は左SBとして出場機会を得ている。たびたび不安になるシーンはあるが身体能力の高さでなんとかしてる印象だ。そして、この試合では攻撃時に中盤のサポートに徹していた。シャフタール戦でもこの役割を担いつつオーバーラップをするシーンも見られたが、この試合ではオーバーラップをするシーンは一度もなかった。もともとアストンビラでキャプテンやっていただけあって、空気を呼んでプレーしているのでうまくフィットしていた。昨季もコラロフとクリシーでボロボロだった左SBにデルフを使えばよかったんじゃないかと思ってしまった。
カンテの偽インサイドハーフ
昨季のカンテは中盤の底でボールを回収、刈り取る役割を主としてプレーしていた。しかし、今季はさらに新しい役割を担い始めている。それが「偽インサイドーハーフ」。フォーメーション上ではIHだが攻撃時には右のWGの位置までポジションを上げてクロスを入れている。チェルシーのシステムはWGというポジションが存在しない。そのため両サイドのレーンは両WB一人ずつで攻撃から守備までカバーしなければいけなくなってしまう。そこでサイドの攻撃を活性化させる一つの策としてカンテの「偽インサイドハーフ」なのだ。この試合ではWBのアスピリクエタがカウンターで脅威になる左WGのサネにリスク管理で釘付けだったため特に有効な策だった。
開始早々のシーンでカンテの偽インサイドハーフが見れて狙いはわかり易かった。リュティガーの縦パスから展開された攻撃。
カンテは右サイドに開いているアスピリクエタにパスをはたいた後、そのまま右サイドの裏(奧)に走り抜ける。
アスピリクエタからパスをひきだし、そのままサイドを少しえぐりモラタにクロス。
バルセロナがこのプレーをラキティッチがしていた記憶があるが、やはり効果的である。
有効な斜めのプレー
この試合の決勝点は、デブライネのスーパーなミドルシュートに注目されるが、このシュートまでにいくつかのポイントとなる斜めのプレーが絡んでいたので振り返ってみたい。
オタメンディがドリブルでボールを少し前に運んだ場面。対角線上の斜め前デブルイネへのパスコースがあいているのがわかる。ここでオタメンディは見逃さなかった。しっかり足元にパスを通すことに成功。
オタメンディからデブライネにパスが渡っている間に前線で待っていたジェズスとシルバはダイアゴナルラン(斜めの動き)でディフェンスラインの裏を狙う動きをする。
そして、ボールを受けたデブライネはワンタッチでジェズスにパスをする。
ボールが少し弱かったためジェズスはデブライネにポストプレーでボールをおとし再び動き出す。この間もシルバはダイアゴナルで相手ディフェンスラインを下げずらしている。
デブライネはシルバのダイアゴナルで空いたスペースにドリブルで侵入。フリーになったところでスーパーなミドルシュートで勝負あり。
いらいろな斜めのパスやドリブル、ランが絡んでいることがよくわかる。斜めのプレーというのは相手を上下にディフェンスラインを動かすのと同時に横にもずらせるのでサッカーにおいて重要なプレーである。
おわりに
マンチェスターシティの無敗は継続、昨季はこの時期あたりから崩れ始めたのでチェルシー戦は踏ん張れてよかった。ゴールシーンはいろんな効果的な動きが絡んで生まれたのでチームの連携の良さがわかるが、焦点がデブライネのミドルになるのは理解できるぐらい綺麗なミドルだった。メンディの穴はデルフでなんとか埋まりそうだがこれ以上怪我人がでないことを祈る。