グランパスのゾーン3攻略の鍵【ガンバ大阪対名古屋グランパス】
<スターティングメンバー>
<試合結果>
ガンバ大阪2ー3名古屋グランパス
ゾーン3攻略の鍵
セレッソ大阪戦の記事でグランパスの課題としてあげたゾーン3での攻撃。だが、僅かではあるが選手の共通意識としての崩しの形は仕込まれているようには感じていた。そしてその形が、この試合で開始早々の先制点を生み出した。
そのゴールシーンがこれだ。
赤崎開始35秒でゴールした。(風間監督の下で覚醒か)#名古屋グランパス#グランパス#赤崎 pic.twitter.com/QuQEYKlv0l
— セイネン@フロサポ (@kawasaki2263) 2019年3月9日
この得点シーンの肝は吉田豊のダイアゴナルラン。ポケットの入り口(ハーフスペース)でパスを受けた米本が吉田豊に通した時点で勝負ありだ。この吉田豊の動きはこの選手に限らず前節のセレッソ大阪戦でも何度か観られていたため、チームの形として仕込まれているのは間違いないだろう。ポケットの入り口でボール保持した選手に対して、周りがダイアゴナルに裏抜けするのだが、上図ではわかりにくいので下図を見てもらえればいいだろう。
今後の試合でこの動きに注目してみてほしい。
守備のバランス
攻撃に関しては再現性高くプレーしている印象であるが、やはり気になるが守備のところ。攻撃的な守備と言われるように前線からハイプレスをかけていくのだが、その守備整備の荒さが垣間見える部分がある。大きく2つについて触れていきたい。
前線からのプレス
前述の通り前線から厳しくプレスをかけるグランパス。
基本は上図の通りマンマーク。浮くキーパーに対しては2トップの内の1人がプレスにいく。それによって浮くCBにはSHがプレスに。まとめると下図の通り。
するとここで、問題になるのがサイドのレーンで1対2の数的不利な状況になってしまうところ。マンチェスターシティのようにSBまで連動できればいいのだが、そこまで仕込めていないのが現状。
そこで簡単な改善策として上図のようなプレス時のカバーシャドーが重要になる。浮いてくる選手に対してのパスコースを切りながらプレスをかけるだけでも相手のビルドアップを遅らせることができる。このカバーシャドーが抜群に上手いのがスペインで活躍する乾貴士。パスコースを切るだけではなくパスを出させてカットしたり、世界でもトップレベルの守備の技術を兼ね備えていることがスペインでの活躍に結びついている。
シャビエル
もう1つはシャビエルの守備だ。セレッソ大阪戦ではジョーと組んだ2トップのところを指摘したが、この試合では2列目のSHに組み込まれていた。だが、明らかに守備の戻りが遅い。遅いというより戻らない。
戻らないことでカウンターからポストを叩いたシーンも演出するなどカウンターで脅威になれるので、風間監督もここは許容しているのだろう。
ただ、試合終盤では上図の通りシャビエルの戻らないスペースを利用してPAまで侵入されていたので試合状況によってシステム変更せるなど柔軟に対応する必要もあるかなと。
ガンバの策
ここからはグランパスの守備整備の荒らさを利用したガンバのビルドアップ時の策を解説していきたい。前述で触れたようにグランパスがサイドで数的不利になるところを利用してビルドアップを安定化させていた。
上図のとおりCBの三浦にボールが渡った時点でSHの小野瀬がボランチ脇におりてくることで、パスコースを2つ用意できるように仕込んでいたガンバ大阪。和泉がカバーシャドーでSBへのパスコースを切っていたとしてもCBが孤立しないようにしていた。これにより前節の相手セレッソに比べてガンバは安定してビルドアップできていたのだ。
おわりに
やはり守備よりも攻撃のサッカーを志向する監督が率いているだけあって攻撃は狙いがわかりやすいが、守備整備の荒らさがすごい目立つなと。攻撃で守備をカバー出来ているうちはいいがそれが厳しくなった時に負け混まないか心配でもある。2回目のグランパス分析を終えてなんとなくこのチームがしたいことはわかってきたが、まだまだ試合数が足りないので根気よく分析を続けていきたい。
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