「3バック+5トップ化」コンテ式チェルシーの中盤空洞化戦術!

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中盤空洞化戦術とは

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中盤空洞化戦術先駆者はアントニオ・コンテ監督だろう。この戦術を欧州に初めて示したのはユベントスを率いてた時代。 「3バック+ピルロ」でのビルドアップは印象的なものだった。前線5枚と後方5枚が分裂しチームが機能しなくなる危険性も伴う戦術だが、ピルロの高精度ロングフィードが前線と後方を繋げていた。

5レーン理論をベースとした前線の並び、中盤に大きなスペースが生まれそれをカバーできる選手がいることを考えると現代サッカーを語る上で無視できない戦術だと感じる。

ここからコンテ監督時代のチェルシーを参考に中盤空洞化戦術について紐解いていきたい。

コンテ監督時代のチェルシー

既に解任されてしまったコンテ監督が率いたチェルシーは中盤空洞化戦術を取り入れ16-17シーズンを制した。15-16シーズンのプレミア王者レスターからカンテを引き抜き、中盤のフィルターとして配置。中盤空洞化戦術を採用する上で重用となる選手の獲得が優勝の鍵となったことは間違いない。

その中盤空洞化戦術について、まず守備時からどのようなシステムなのか説明していく。

守備(5バック)

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守備時、最終ラインは5バックを形成。

中盤は守備的なマティッチとカンテを配置。鍵となるポジションはこの中盤の2人である。相手選手が守備ブロックに侵入してきたときに、中盤の2人が潰す役割を担う。特に、広い範囲をカバーできるカンテは中盤空洞化戦術のために最も適正な選手である。

WGのアザールとウィリアンは基本的に守備のタスクは大きくない。ただ、相手にサイドで優位に立たれ攻撃を展開されやすい守備の配置であるので、WGの2人がサイドの守備、プレスバックを献身的にできるか重要である。アザールは変えがきかない選手なので左WGは固定だったが、右WGでペドロではなくウィリアンが起用されていたのは守備の部分が大きかった。

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攻撃(3バック+5トップ)

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WBのMアロンソとモーゼスは3トップのアザール、Dコスタ、ウィリアンを追い越すようなオーバーラップをするため、配置上では3トップであるが実質5トップとなっている。

この5トップとボールを前線に配給する後方の5人という構図となり、中盤がすっぽりと空いたような配置だとわかる。これが中盤空洞化戦術と言われるわけだ。

そして肝心な攻撃システムは後方の選手からの中、長距離パスが起点となる。もしパスが空いて選手に引っかかってしまったとしてもそこは中盤のフィルターのカンテが回収してくれる計算。カンテがこぼれ球を拾うことにより最も得点になりやすいショートカウンターのきっかけともなる。

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中盤空洞化により出場機会を失う選手

監督交代などにより中盤空洞化戦術を取り入れることで出場機会が激減する選手のタイプが存在する。それがどのタイプの選手がわかるだろうか?

結論を話すと、中盤でリンクマンになるタイプの選手である。

直近で有名なのは、今季からPSGを指揮するトゥヘル監督が率いていたドルトムントで、中盤空洞化戦術を取り入れ香川の出場機会が激減した話である。

香川がどのようなプレーを得意とする選手であるか詳しく説明する必要はないと思うが、「後方と前線を繋げるリンクマン」とでも言っておこう。

この戦術を採用したトゥヘル監督も前述したチェルシーのカンテのように、ボールを回収できる選手を中盤に配置したかった。それによりこの戦術で香川は居場所を失ったのだ。

まとめ

16-17シーズンでは中盤空洞化戦術でプレミアリーグ優勝し17-18シーズンでは4バックも取り入れ連覇を目指した。だが、監督と選手の間で修復不可能な大きな溝によりチームが崩壊。

チェルシーは18-19シーズンから戦術家サッリを監督に据えた。どんなサッカーをプレミアリーグで披露してくれるか楽しみだ。 

www.tacticas-magicas.com

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