マドリー3連覇の立役者は誰だ!?【リバプール対レアル・マドリー】
<スターティングメンバー>
<試合結果>
リバプール1ー3レアル・マドリー
51:ベンゼマ 55:マネ 64:ベイル 83:ベイル
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怪我人による試合展開の変化
序盤から主導権を握ったのはリバプール。前線からのハイプレスが見事にはまり、マドリーが焦っているのは誰が見ても明らかだった。
なぜリバプールのプレスがマドリーに対し、あれだけはまったのか。
その答えはリバプールのプレスの意図に焦点をあてると見えてくる。
①試合序盤〜サラー怪我
マドリーの攻撃は両SBがかなり重要な役割を担っているため、試合序盤からリバプールは両SBにシンプルにパスを通されないことを意識したプレスであった。
ボールサイドのWGがカバーシャドーでSBへのパスコースを消すことを目的としていた。ボールホルダーが背を向ければ、素早くプレッシャーをかけボール奪取を試みることも欠かさなかった。
②サラー怪我〜
30分頃、肩を痛めたサラーは交代を余儀なくされ、ララーナが代わりに入った。それにより前線の並びは少し変わった。
そしてサラーの負傷交代後も同じように両SBへのカバーシャドーで対応すると思われたが、ララーナの対応は少し違った。
左WGに入ったララーナはSBへのパスコースをカバーシャドーで消すのではなく、ある程度SBへのパスコースは空けた形での対応だった。守備面でもサラーやマネのスピードというのは重要だったが、ララーナはスピードに特徴を持った選手ではないためそのような対応になったのだろう。ただ、サラーの位置にララーナをそのまま配置するとマルセロを自由にさせることになるのでマネとサイドを交換したのだろう。表示では4-3-3となっていたが4-4-2とも見受けられるシステムであった。
マドリーのビルドアップシステム「IH落ち」
「IH落ち」とは…
リバプールのゲーゲンプレスに対するマドリーのビルドアップは普段通りという感じだった。両SBが高いポジションを取り、空いたスペースにIHが落ちてくる「IH落ち」と言われるシステムでリズムを作りながらビルドアップを試みていた。
ただ、試合序盤はリバプールのゲーゲンプレスのスイッチが早いのもあり、IHが落ちてくる時間も確保できないマドリーはなかなか主導権を逃げれない要因となっていた。
IH落ちへのリバプールの対応
サラーの負傷交代後や試合が進みに連れて、リバプールのプレスが弱まり、徐々にマドリーがボールを保持することができるようになった。
すると、マドリーの「IH落ち」が機能し始める。
個人的に「IH落ち」にどのようにリバプールが対応するか注目の1つだった。
リバプールは、「IH落ち」からパスを受けた選手に対して中盤からプレスに飛び出し積極的にプレッシャーをかけミスを誘ったのだ。
1シーンを取り上げてみると、モドリッチに対して中盤1枚がプレッシャーをかけている。ちなみに中盤1枚飛び出しているため、そのスペースが空いていることがわかると思うが、そこにベンゼマが下りてきていて流石だなと感じた。
こんなイメージ↓
MOM級の活躍をしたベンゼマ
ハイプレスの逃げ場としてこの試合で重要な役割を果たしていたのがベンゼマであった。サイドに流れながら、ボールを引き出すシーンやレイオフも多く見られた。
特に、前述でベンゼマのプレーにも軽く触れましたが、リバプールの中盤が飛び出し空いたライン間でボールを引き出しレイオフする場面などを見ると、ベンゼマのスタメンというのが納得できるなと。
さらに、試合を決めたベイルのゴラッソを2点共にアシストしたと言っても過言ではない。わかりやすいベイルの2点目を解説します。
左サイドでマドリーが押し込んだところからマルセロの大きなサイドチェンジから始まるシーン。
リバプールがかなり右寄りの陣形になっていたため右サイドに広いスペースがあることがわかる。そのスペースにピンポイントで通すマルセロ。ベンゼマの位置も確認できると思う。
ベイルはSBとの勝負で縦を選択するのではなく、体を中に切り込む向きに変えた。そして、注目してほしいのがベンゼマの動き。フットサル戦術でいうカーテンに近い動きである。これにより、もともとベンゼマが元居たスペースをベイルに使わせることができ、受け渡しのミスを誘発することができた。
ベンゼマの動きによって結果的にフリーになったベイルは得意のパワフルなミドルでゴールにぶち込んだ。
世間ではこのカリウスのミスがかなり騒がれているが、ベンゼマのカーテンといわれる動きをもっと評価するべきである。ベンゼマなしではマドリーの3連覇はなかっただろう。
おわりに
マドリーの3連覇で幕を閉じた今季のチャンピオンズリーグ。何か昨年、一昨年とは違った雰囲気の決勝のように感じたというのも、チームのエースの怪我や得点に結びつく大きなミスだったり話題性に飛んだ試合だった。
そして、この試合を通じて一番言いたかったこと。それは、カリウスのミスばかりに焦点を当てるのか、この試合でいう影に隠れてしまっていたベンゼマの重要な動きなどに焦点を当てるのかで解説者やメディアの質が問われると感じたということ。
このブログが後者であるためにも、近づいてきたW杯や来季に向けてブログの質を向上できるよう頑張っていきます!