首位追撃へ負けられないマドリードダービー【アトレティコ対レアルマドリー】
スペインの首都マドリードを本拠地とする2大クラブによるダービーマッチ。近年は欧州の頂点も争う両チームだが、この試合は首位バルセロナを追撃のため。そして優勝を争う権利をかけた勝たなければ意味のない戦いとなった。
試合は終始優位に戦ったレアルマドリーがアトレティコを破り2位に浮上した。そこでこの記事では試合を分けた1つのポイントをアトレティコに焦点を当てて解説していく。
<スターティングメンバー>
<試合結果>
アトレティコ1ー3レアルマドリー
ゾーン2での形
この試合の勝敗を分けることになったポイントを解説する前に、まずアトレティコのボール保持時(特にゾーン2)の各選手のポジショニングと役割を解説する。
右サイドから攻める場合の基本的な立ち位置と動きは上図の通り。左サイドから攻める場合は左右が逆に。
◆CF(グリーズマン、モラタ):モラタがディフェンスラインと駆け引き、グリーズマンが下りることでパスを引き出す。
◆SH(コレア、レマル):SBにオーバーラップのスペースを与えるため内側のレーンに移動。ボールサイドと逆のSH(この場合はレマル)は前線まで上がることで2トップと並び3トップを形成。
◆VO(トーマス、サウール):ボールサイドのVO(この場合はトーマス)はSBがオーバーラップすることによってできたスペースに下り3バックの一角になり、CBのサポートとカウンター対策。もう片方のVOは3トップの一列前のアンカーポジション。両VOの動きで最終ラインは3バック+1アンカーに。
勝敗を分けたポジショニング
簡単にアトレティコの各選手でのポジショニングと役割を解説したところで、早速勝敗を分けたある選手のポジショニングについて解説していく。
まず下の動画を見てください。
トーマスのポジショニングが怪しい pic.twitter.com/VVaOkHtEok
— 3バックには夢がある【サッカー戦術分析ブログ】 (@tactics9320) 2019年2月10日
試合中の2シーンを取り上げた動画だが、どちらもボランチのトーマスのポジショニングが怪しい。その2シーンについて詳しく観ていきたい。
19分のシーン(バスケス決定機)
まずは1つ目のシーン。
ヴィニシウスがSBアリアスの裏のスペースでパスを引き出したところからのチャンスだが、そのスペースをカバーしなければいけないのはボランチのトーマスだ。
アトレティコが数的不利な状況ではないが、ヒメネスはベンゼマについているため最終ラインのマーク受け渡しが必要で、最終的にバスケスをフリーにしてしまいシュートを許している。
73分のシーン(レアルマドリー3点目)
そしてマドリーの3点目となった2つ目のシーン。前述で解説した問題点と基本的に同じ。
ベンゼマのレイオフに対してヒメネスは釣り出され、その裏をベイルに突破されてしまったが、ここをカバーすべきなのはトーマスだった。
おわりに
この試合を観ていてトーマスのポジショニングがかなり気になったので記事にすることにしたのですが普段はどうなのでしょう?アトレティコの試合を多く見るわけではないのでそのあたりの情報がないので教えてもらえると有難いです。
トーマスのポジショニングが悪いように記事を書いたのですが、ポジショニングが監督の指示であればそこが問題です。アトレティコのようなトップのチームがこれほどの粗末なリスク管理をするとは思えないのでこのように記事を書かせてもらいました。
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