完敗の裏で復調の兆しが見えたマドリー【レアルマドリー対バルセロナ】

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<スターティングメンバー>

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<試合結果>

マドリー0ー3バルセロナ

 

IH落ちとは

 両SBが高いポジションをとりその空いたスペース(CB-SB間)にIHが落ちボールの前進を助ける戦術のことを「IH落ち」という。下図のような感じです。

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マドリーにおけるIH落ちの重要性

IH落ちの動きは簡単にわかったと思うのでここからマドリーにおけるIH落ちの重要性を解説していく。シーズンが進みに連れて少しずつ調子を上げているマドリー。この試合は結果だけを見ればマドリーの完敗だが、特に前半は先制点を奪えるチャンスを何度も演出していた。その要因はこれまでの試合に比べてIH落ちが効果的に活用できるようになったと考えられる。そこでこれまでの試合での攻撃停滞するパターンを先に解説してから、この試合でIH落ちから演出したチャンスを解説しつつIH落ちの重要性を紐解いていきたい。

 

 攻撃停滞パターン 

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まずはマドリーの攻撃が停滞するパターンを解説したい。ここで参考にしたいのがCLRound16アヤックス戦の序盤。結果的にマドリーが勝利したが試合の序盤はかなり苦しんでいた印象の強い人が多いだろう。その要因は上図の通とおりアヤックスがオールマンツーでハイプレスをかけ、それに対してマドリーが手を打てなかったため。

そこで有効となってくるのが下図で示しているIH落ちである。

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IHクロースがCB-SB間に落ちることで空いた中盤のスペースタイミングよく下りてくることでフリーでパスを受けられる。ただ注意したいのがヴィニシウスの下りてくるタイミング。早すぎるとマークされるためパスを出されるまでは動かずにスペースを空けておく必要がある。

IH落ちからの攻撃

ここからバルセロナ戦で観られたIH落ちからのチャンス演出シーンを2つ解説していきたい。

1つ目のシーンがこれだ。

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まさに前述のアヤックス戦での解決策で示した流れと同じ。 この試合のセルジロベルトはクロースを常時マークしていたためIH落ちしたクロースによって簡単にブロックの外に釣り出されてしまっていることがわかる。セメドが2人マークしなければいけない状況が作り出され、ヴィニシウスにタイミング良くパスを通すことができたため一気にボールを前進させることに成功している。

そして2つ目のシーンがこれだ。

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 このシーンもきっかけはIH落ちからである。レギロンが高いポジションをとることができ1つ目のシーンと同様でセメドのところで数的優位に。セルジロベルトが守備に戻ってくるもここでベンゼマが絡んでき、これで3対2の数的優位だ。またベンゼマの賢さが光ったシーンでもある。

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 裏に抜けたヴィニシウスを見てベンゼマがその空いたスペースを活用する。気になる方はもう一度動画を見てみてほしい。

 

おわりに

間違いなくチャンスの数であればマドリーの方が多かった。なのに勝てなかったこのような試合を見るとやはりロナウドが恋しくなる人も多いはずだ。ただ明らかにヴィニシウスとレギロンの縦の関係が良くなっているので、ヴィニシウスの決定力が改善できればマドリーの新たな長所になるに違いないだろう。

 

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