アルゼンチンが狙うべきだったスペースは?【アルゼンチン対フランス】

<スターティングメンバー>

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<試合結果>

アルゼンチン3-4フランス

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フランスのゲームコンセプト

ボール保持時はグリーズマン、ジルー、ムバッペの3トップの4-3-3、守備時は今大会ブームにもなっている4-4-2のフランス。f:id:cityzens:20180702225555p:plain

フランスのゲームコンセプトはボールをアルゼンチンに与え、カウンター狙いの戦略だった。狙いのカウンターに移るために重要となる守備戦略はボールサイドで囲い込み、ボール奪取するというものであった。起点となるメッシにはカンテをマンマークにつけ、その少し後方に抜かれた際のカバーを常に用意。そんな感じのフランス。

ストライカー不在のアルゼンチン

ゼロトップ?

この試合のアルゼンチンは1トップにメッシが入った。攻撃の組み立てでメッシがマスチェラーノ脇まで下がり、ゼロトップの役割に近いメッシの動き。攻撃の組み立ての段階ではパスコースを増やすことができ、フランスのプレス、囲い込みを回避することが出来ていた。

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ただ、メッシの下りてくる動きでできたスペースに走り込む2列目の動きが皆無だった。ゼロトップで2列目からの飛び出しがなければゴールが生まれるのは厳しい。

アルゼンチンが狙うべきだったのは?

では、アルゼンチンが狙うべきスペースはどこだったのだろうか?

それを考える上でポイントとなるのがフランスの守備戦略である。前述のようにフランスはボールサイドでボール奪取することを狙いとしており、ボールサイドに選手が偏るためその逆サイドに大きなスペースが生まれていた。なのでサイドチェンジで局面の打開を試みるべきであった。試合では2、3回しか大きなサイドチェンジは無かったが、数少ないサイドチェンジでチャンスになりかけたシーンを紹介したい。

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右サイドから攻撃を仕掛けていたアルゼンチン。メッシがボールを保持していたところから後方でバランスをとるマスチェラーノにパス。そこからマスチェラーノは左ワイドで幅をとるディマリアへサイドチェンジ。当然フランスはディマリアにSBが寄せるのだが、寄せたSBとCBの間が空いてしまう。このスペースへタグリアフィコがタイミングよくインナーラップを。

このシーンではディマリアのパスがずれ決定機とはならなかったがチャンスの匂いがするシーンだった。

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先程のシーンでディマリアのパスがタグリアフィコに繋がった際には、ゴール前に2列目からの飛び出しでゴール前に厚みを作り出せるかが重要である。

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フランスのカウンターの狙い

 なぜフランスのカウンターがあれほど綺麗な形で決まるのか。個々のスピード、技術が高いレベルにあるのはもちろんだが、それだけに依存するのではなくてチームとして連動したカウンターを発揮させてる大事なポイントがある。

それは5レーン理論に基づいて考えると見えてくる。カウンターはPA幅で完結させることが理想的だと広く知られているが、フランスのカウンターはこれを完璧に実現している。また、同じレーンでボールを受けようとする不届き者はこの国にはいない。必ず隣のレーンに移動しボールを引き出すのだ。

いくつかフランスのカウンターシーンを載せときます。

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おわりに

アルゼンチンのエース、メッシのW杯制覇の夢は決勝トーナメント1回戦で破れ、苦い思いを抱えながら4度目のW杯のピッチを去った。

勝利したフランスは相手が強豪になればなるほど力を発揮するようにチームの調子は徐々に上がってきた。次戦は南米の古豪ウルグアイとの対戦。ウルグアイの鉄壁の守備の前にフランスはどのような戦いを見せてくれるだろうか。

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