シストが起点の変則的な攻撃システム【デンマーク対オーストラリア】
<スターティンメンバー>
<試合結果>
デンマーク1ー1オーストラリア
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ビルドアップ戦術
基本は4人のBOX型
今大会はビルドアップ時に3バック+アンカー1人を形成する国が多い中、2バック+アンカー2人のBOX型でビルドアップをするデンマークは少し異質である。オーストラリアは4-4-2ブロックで守備をするため4対2の状況を作れるため後方でのボールロストはほとんどなかった。
逃げ場の右SB
ただ、4対2を作れるとは言ってもパスコースに困る場面は少しあった。戦術が落とし込めない代表チームの難しさがこの1つである。
困った逃げ場として右SBが気を利かしていた。左SBは最終ラインと駆け引きするほどで高い位置をとり幅をとっているのと比べると右SBはバランスを見ながらポジションを調整していた。
左サイドが攻撃の軸
シストがHSの突破口
昨季セルタでブレイクしたシスト。フォーメーション表記上は左ウイングとなっているが、大外のレーンにポジショニングすることはほぼ無く左ハーフスペースでボールを引き出し、攻撃の突破口となる役割を担っていた。
さらにアンカー脇まで下がりパスコースとなるような役割も担っていて、エリクセンがストライカーに近いシャドーの役割なのでシストが俗に言うゲームメーカーの役割に近い。
右WGポウルセンの高さを活かす
デンマークが左サイドを攻撃の軸とする理由の1つに右WGのポウルセンの高さを活かしたいという意図がある。左WGのシストとは違い右WGのポウルセンは基本的に大外のレーンで幅をとり1体1で勝負したいタイプである。だが左サイドからクロスが上がるタイミングやPA内に攻め込めた時にはポウルセンもゴール前に飛び込みゴール前の厚みを作れ、高さも活かせるわけである。
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自由のエリクセン
エースのエリクセン。戦術眼に優れた選手であるので基本的に自由を与えられていることもありポジション移動を繰り返し様々な形で顔を出す。
1度述べたように左サイドが軸なのでHSで勝負する両ウイング(特に左のシスト)のサポートをしつつシャドーの役割も担いゴールを狙う。
左サイドバックのタスクが多いので代わりに左サイドまで流れ、幅をとっている場面も数回。ただ、エリクセンは基本的にゴールに近いポジションでプレーし、ビルドアップには関わらない。ドイツのエジルやアルゼンチンのメッシなどとはタイプが違い、グリーズマンやミリクなどに近いかなと。
おわりに
この試合個人的にはお気に入りのオーストラリアのムーイやデンマークのクリステンセンが頑張っていたのでよかった。グループCの2試合を終え、2位につけているデンマーク。次戦はフランス戦だが突破の可能性は高いが、不安要素もあり決勝トーナメント進出時に左SBのタスク過多で殺すことにならないかというところである。
他の国とは異質な存在であるデンマークの決勝トーナメントでの戦いも楽しみだ。