チェコ戦からの修正【ドイツ対ノルウェー】
この前のドイツ対チェコの試合の記事に続いて、ドイツ対ノルウェーを記事に。ドイツのメルセデスベンツアリーナでの試合ということでシュツットガルト出身の選手が中心に途中出場で出てきたりして、盛り上がった試合だった。
<両チームのスタメン>
チェコ戦から選手やフォーメーションは変わったが、ドイツのポゼッション時の各選手のポジショニングは同じだった。クロースがSBの位置へ下り、CBの組み立てのサポート、SBのヘクターとキミッヒはWGに変身。そして、最もポイントとなるのがエジル。チェコ戦ではIHで出場をしたが、この試合では自由を与えられ、空いたスペースをうまく使うことでチャンスを演出していた。
IHのあけたスペースの活用
試合の結果は、6−0でドイツの快勝だったが、この試合ではドイツのチェコ戦から修正されたポイントがいくつかあった。この前のチェコ戦の記事を読めばわかるように、一番の問題であったIHのあけたスペースを使う動きがなかったこと。しかし、このノルウェー戦では、エジルに自由を与えることで改善。象徴的だったのがドイツの先制点のシーン。
ノルウェーのゴールキックをフンメルスが回収したところから始まったドイツの攻撃。IHのドラクスラーがサイドに開き、大きなスペースができていた。
スペースを見つけたエジルが前線からボールを受けに下りてくる。
フンメルスもエジルの動きに反応し、正確にパスを通す。
ボール受けたエジルは左サイドに展開。前線では、右IHのミュラーがポジションを上げ、ヴェルナーと2トップを形成。
ドラクスラーがボールを運び、エジルのチャンネルランで後ろで構えるクロースを浮かせる。
クロースにパスをしたドラクスラーは、ダイアゴナルランで左サイドのヘクターへのパスコースを確保。
一連の動きで完全にノルウェーが振られ、左サイドでヘクターが浮いている。
大きなスペースを作った左サイドをクロースが見逃すわけもない。
クロースからパスを受けたヘクターがマイナスのクロス、ダイレクトでエジルの完璧なシュートで先制だった。
常に周りの選手が動き続け、スペースを作り、活用を繰り返したことで生まれた得点だった。チェコ戦では、使えなかったIHのスペースを活用することで、攻撃のスイッチが入り、得点が生まれた。チェコ戦でもこの動きがあればもっと違った内容になっていただろう。
3バックの幅の取り方
チェコ戦では、HVがひらきすぎてフンメルスが浮いてしまい、カウンターを止めきれずに決定機を演出されるシーンが多く見られた。だが、この試合では、カウンターから決定機を作られるシーンはほとんどなかった。リュティガーが開きすぎることもなく、コンパクトに並ぶようしっかり修正されていた。
おわりに
ドイツのチェコ戦、ノルウェー戦を通して、チームとしてやりたいことがはっきりと見えて楽しめた。そして、スペースを見つけ活用できる選手がチームにいること、その能力を発揮できるシステムを構築することが重要ということわかる。ダビド・シルバ、イスコ、エジル、イニエスタ、チアゴ、ピャニッチ、香川、、、数少ないこのタイプの選手、スペインの選手が多く思いつくあたりは、未来が明るいなと。