ハダースフィールドのポジショナルプレー【ハダースフィールド対WBA】
<試合結果>
ハダースフィールド1ー0WBA
45:パラ
<試合内容>
今季なかなか調子が上がらないWBAに対し、ハダースフィールドペースの時間帯が前半は多かった。スコアレスでハーフタイムに突入するかと思いきやパラが完璧なロングシュートを沈めリードをした。後半にはハーダスフィールドのCBシンドラーが退場になりWBAに勢いを与えたがハーダスフィールドは一点を守りきり逃げ切った。
ハダースフィールドのポジショナルプレー
17/18の今季はプレミアリーグ初昇格のハダースフィールドが健闘。トッテナム、リバプールに大敗するも第9節ではユナイテッドを破り、プレミアリーグ11節を終え8位のブライトン、9位のワトフォードと勝ち点で並び得失点差で10位につけている。今季のハダースフィールドの試合を見るとチームの共通意識として後方から繋ぎたいということが見える。この試合でも丁寧にビルドアップしていくシーンが前半は多かった。そのビルドアップの仕組みを解説していきたい。
<ハダースフィールドの布陣>
ハダースフィールドの基本フォーメーションは4-2-3-1。守備時には4-4-2もしくは、4-1-4-1でラインを組んでいる。そして、本題のビルドアップ時の各選手の配置。キーパーもしくはディフェンスラインまでボールが戻ると決められたポジションにつく。その流れが↓
今では見慣れた2CBがサイドのレーンまで開き、間にアンカーが落ちてくる形。しかし、2ボランチなので片方のホッグがその役割を担う。
もう1人のムーイは中盤の底に構えているがボールの位置によってポジションは修正する。そのムーイの役割については後ほど詳しく説明してます。
そして、サイドハーフのパラとカチュンガはサイドに張るのではなくハーフスペースまでポジションを絞る。このような1連の流れによってできる配置がこんな感じ↓
これを見ると中央のレーンにバランスよく選手を配置しているのがわかる。そして、ビルドアップしていく上でスイッチとなるのがSBにボールが渡った時。キーパー含め後方4人でボールを回しながらチャンスを伺うのだが、開いたCBからSBに縦パスを入れたと同時に前線の選手が動き出す。↓
例えば右SBにボールが渡るとまずムーイがパスコース確保のために右ハーフスペースまで移動。これによってRM-CM-SBで三角形を作り、CAMのインスはポジションを落とす。この動きによって常にSBがパスコースに困ることは無くなる。
そのタイミングでトップのドゥポワトルはサイドに裏抜け、相手ディフェンスラインを下げると同時にパスが通れば、ピッチの深さを使える。この一連の流れは左SBにボールが渡った時も同じである。
このポジショナルプレーで1番負担が大きいのがアンカーの役割のムーイ。左SBがボールを持った時には左HS、右SBがボールを持った時は右HSに移動するレーン間移動が間に合わない時がある。実際間に合っていない時はかなり多い印象。
そうなった時にはCAMのインスが右ハーフスペース、LMのパラが中央のレーンに移動。三角形もしくはダイアを作り、パスコースを確保する。↓
時間帯によっては上記で挙げたようなポジショナルプレーができなくても、各選手がポジショニングを意識してプレーしていることも見て取れるので自然と三角形もしくはダイアを作れ、パスコースに困ることも少ない。
そして、上の画像がハダースフィールドの選手がどの位置でボールを持ってプレーをしたのかを示すヒートマップ。自陣の左サイドの赤くなっているところが一番ボールが回ってきていたということ。そこで、ハダースフィールドが攻める相手自陣を見ると、一般的にバイタルエリアと言われるエリアでのプレー回数がほとんどないことがわかる。逆に、ハーフスペースからサイドのレーンにかけてのプレーが多く、左サイドを見るとフィールドの奥深いエリアまでえぐってプレーしていることが読み取れる。
ここで先程まで解説していたポジショナルプレーを振り返って見ると、なぜ上のようなヒートマップになったのかわかると思う。