ハーフスペースを活用したナポリの先制点【ナポリ対マンチェスターシティ】
前回の両チームの対戦(CLGS第3節)のマッチレビュー↓
<両チームのスタメン>
<試合結果>
ナポリ4ー2マンチェスターシティ
21:インシーニェ 34:オタメンディ 48:ストーンズ 62:ジョルジーニョ 69:アグエロ 92:スターリング
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HSを活用したナポリの先制点
HS(ハーフスペース)の解説は↓
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キックオフからこの試合を支配したのはナポリ。丁寧にショートパスを繋ぎビルドアップ、ハイプレスも前回の対戦のようにかけハイテンションで試合に入ってきた。ナポリの時間帯が続き、21分にナポリの先制点が生まれる。
なんでもないワンツーからの綺麗なシュートに見えるが、このゴールから戦術家サッリの緻密な選手配置のうまさがわかる。ナポリの先制点 pic.twitter.com/xZCgJPevKk
— タム (@mcfcnoone) 2017年11月2日
上の画像は24番(インシーニェ)が味方からパスを受けドリブルを開始したタイミングの各選手の配置。ボールを受けた24番は左ハーフスペースと左サイドのレーンの間にポジショニング、17番(ハムシク)は左サイドに開き、14番(メルテンス)はシティの両CBの間にポジショニング。24番はここからドリブルでHSに侵入していくのだが、シティがこの選手を誰がマークするのかが曖昧である。シティの右SBの3番はサイドに開いた17番への守備ベクトルが大きく、右CBの5番は14番に気を取られ判断を迷っている状況に陥った。それを見逃さなかった24番のインシーニェは14番にパスを1度入れることで両CBの守備ベクトルを14番に。
そこから24番はスピードを上げシティ守備ラインの裏へ。
ライン裏に侵入したインシーニェは落ち着いてゴールに流し込んだ。 HSとサイドのレーンの間にポジショニングするインシーニェにパスが通った時点でこのゴールの7割くらいは決まったようなもの。左HSから崩していく流れは、サッリナポリのお得意パターンである。
もしかすると、もしかするかもしれない
シティがなかなか試合を支配できない時間帯が続いたが、30分あたりでナポリのプレスが緩くなった。キックオフからかけていたハイプレスを30分続けるのは厳しいと明らかだった。そして、34分にシティが追いつく。ショートコーナーからギュンドアンの左足の柔らかいクロス。大外で待っていたオタメンディが左SBのヒサイとのミスマッチを作り、上から叩き込んだ。
同点でハーフタイムを迎え、後半へ。シティが主導権を握ったまま前半が終わり、後半はお互いどのような形でスタートするかと注目していると、開始早々シティが勝ち越した。同点弾と同じコーナーからストーンズが合わせてのゴールだった。
この2ゴールを見て、ふと思ったのがCL2連覇した昨季までのマドリーもこんな感じだったような。今季のマドリーはリーガでもCLでも苦しんでいて、1つの原因がコーナーからの得点の不足。昨季までのマドリーは、流れの中でゴールできなくても終盤にセットプレーから勝ち越すという試合がいくつもあった。それが今季のシティでは見られ、あまり注目されていないがリーグでもCLでもコーナーからの得点というのが昨季に比べてかなり増えている。ということは、プレミアリーグ制覇とCL制覇のダブルも夢じゃないとか。1シーズンまだまだ長いので安易な考えかもしれないが、もしかするともしかするかもしれない。