クラブへの生き残りをかけた両指揮官1stLeg【レアル・マドリー対パリ・サンジェルマン】
<両チームのフォーメーション>
<試合結果>
レアル・マドリー3ー1パリ・サンジェルマン
マドリーの弱点をついた先制点
今季マドリーの弱点の1つとなっているのがマルセロの守備である。マドリーはこの弱点を突かれ先制されてしまう。先制点のシーンを振り返って見る。この試合マルセロがマッチアップしていたのはムバッペ。特別足が速い選手ではないが、緩急を使ったドリブルで自分のリズムでプレーを得意としていて足技も優れているので前半は弱点が露わになっていた。
攻撃のスイッチとなったのは、ムバッペがマルセロを抜いたところ。
↓のシーンの赤丸のところである。
セルヒオ・ラモスがマルセロのカバーをできるようなポジション取りをしているため画面外のバイタルエリア付近では、数的同数となっている。
ムバッペは、カバーに入ったセルヒオ・ラモスと対峙するが数的同数を認識しているので抜きらずにクロスをあげる。
ボールはネイマールの元に流れてくるが、この試合出場停止中のカルバハルに変わってスタメンに名を連ねた右SBのナチョがなんとか阻止する。
無情にもボールは、PA内まで詰めていたラビオの元に。
弱点であるマルセロ裏を突くことに成功したエメリとしては、してやったりの展開となった。
ロチェルソの起用
この日のパリの中盤は、アンカーにロチェルソ、IHにラビオとヴェラッティで構成されていた。試合前に個人的に期待していた1つとして、獲得したばかりの中盤の削り屋ラサナ・ディアラの起用だったが残念であったと共に足元の技術に優れたロチェルソの起用は、賭けに出た感があったのが本音。CLベスト16敗退となれば解任に違いない状況で1stLegアウェイとなれば守備に比重を置き、落ち着いた展開を望むと読んでいたんですけどね、、、。
試合の序盤はビルドアップの部分で存在感を示していたが結果的に試合を通して見ると、同点に追いつかれたPKを与えたことや危険なスペースでの軽率なプレーが目立ったロチェルソの起用はマイナス要素が大きかった。
両指揮官の采配 の明暗
この試合の結果を大きく左右することになったのは、エメリの采配である。その采配は、65分のカバーニに代えてムニエを投入した采配である。3トップの一角としてスタメンのカバーニを下げD.アウベスを一列上げ右SBにムニエを。マルセロの攻撃参加時にマッチアップする相手がD.アウベスからムニエに変わったこと。それによりセレソンの先輩であるD.アウベスに対してガツガツいけなかったマルセロが調子乗り始めてしまった。実際、マドリーの2点目、3点目はマドリーの左サイドが起点となっていた。
対してジダンは、80分近くに守備において重要な役割を果たしていたカゼミロとボールをキープし味方に時間を作っていたイスコに代え、アセンシオとルーカス.Vの投入。守備が崩壊し、勝ち越されてしまうリスクもあった中の思い切った采配だった。ホームで引き分けに終わるわけにはいかないジダンからすると、ありきたりな采配ではあると思えたが、両指揮官の明暗ははっきりと別れた結果となった。